思いついた話を御伽噺風味で。-2- チラシの裏メモ 2006年10月17日 「たいへん、村がぜんぶ焼けてしまっているよ」 妹は涙をぼろぼろ流して言います。「お父さん、お母さん、村のみんなはどこ?」 兄も必死に村中をはしります。しかし、どこもかしこも真っ黒に焼け落ちてしまい、人の気配はまったくしません。 泣いている妹の頭をなでて、兄はせいいっぱい元気を出して言いました。「だいじょうぶだよ。きっと、みんなどこかへ避難したんだよ。だから泣かないで」 二人は焼け跡から、使えそうな道具を少し、武器には、小さいナイフを一本と、ほんの少しの食べ物をリュックに詰め込み、村をあとにしました。 しかし、村を出て、一番近くの町に行っても、二人の村の住民と出会うことはありませんでした。「一体、みんなどこへ避難したんだろう?」 さらさら流れる小川で一休みしていると、小鳥が一羽、兄の肩にとまりました。「魔女がみんなを連れて行ってしまったよ」 なんと、森で出会った木のように鳥がしゃべりました。「君も、もとは人間だったの?」 兄は尋ねます。「僕は生まれたときからずっと鳥だよ。人間と話すなんて、東の国の王子以外でははじめてだよ」 鳥と話していると、妹がかけよってきました。「お兄ちゃん、誰と話しているの?」「おまえには聞こえないの? この鳥がしゃべっているんだよ」「私にはきれいな鳥のお唄しか聞こえてこないわ」 兄が不思議に思って首をかしげていると、鳥がペンダントを指します。「そういえば、東の国の王子も同じペンダントをしていたよ」...to be continued思いついた話を御伽噺風味で。思いついた話を御伽噺風味で。-2-思いついた話を御伽噺風味で。-3- ◆仕神けいたの活動報告 FANBOXとクリエイティアで活動報告をしています。 FANBOXではVroid系・イラストを、クリエイティアでは、執筆関連の報告や仕神の執筆環境などの報告をします。 どちらも会員限定の情報がありますので、ご興味ありましたらどうぞ! PR