(仮)な物語。 チラシの裏メモ 2007年08月20日 ちょこちょことケータイで書いて、大雑把に入力していたので構成も物語もへちまもないです(汗。なので、「小説家になろう」にもアップ予定なし。……ちゃんとした物語にしないと、この走り書きメモに悪い……のはわかってても、もう私は限界かもm(;_ _)/ ある山中の村にはヨンサという村長の息子がいた。たいそう働き者で、皆からも慕われ、贅沢こそできなかったものの、幸せな暮らしをしていた。ある日、彼は父について山へ行き、薪拾いの手伝いをしていた。一刻ほど経ったろうか、ここらで一休みしようと、父は木陰に座った。ヨンサも休もうとした。が、にわかに強い風が吹き、せっかく集めた薪はほとんど飛ばされてしまった。「オラがまた集めてくるよ」そう言って、ヨンサは一人で薪を集めることにした。「ヨンサ、気ぃつけろよ。間違っても化け物山には近づくでねぇぞ」父の言う化け物山とは、その名のとおり化け物が棲んでいるという険しい山だ。普段は山奥深くに潜み、時折、訪れた人間を襲って食ってしまうといううわさが流れている。山から戻ってこれた者が一人もいないわけだから、その話もあながち嘘ではないだろうと、村人たちは惧れを抱いている。しかし、若くたくましいヨンサは、冒険心と興味を捨てきれず、化物が棲むという山の奥へと入ってしまった。道もなく、ただ木々と草の中を山頂に向かって歩を進めるヨンサ。化け物がいるというのに、山は静かで鳥が穏やかに鳴く。これが本当に化け物山か。と、突如、霧がたちこめ、あっという間に視界が塞がれてしまった。「これはまずい」ヨンサは冒険を止め、山を降りようと後ろを振り返る。だが、道なき山をさらに霧が覆った世界。気がつけば、ヨンサは完全に迷ってしまった。右も左も、上がっているのか下っているのかもわからなくなり、歩く力も弱々しくなる。体力も底をつきかけ、ヨンサはもうだめだと思った。その時、視界を何かが横切った。「あれぞ噂に聞く化け物か?」食われる前に逃げなくては。ヨンサは意識が薄くなるのを感じながらも、最後の力を振り絞った。座り込んだ体を起こそうとするも、ヨンサの体は地べたに根を張ったように全く動かない。そのうち、声が聞こえてきた。化け物の声か。しかし、やけに高く狐の声かとヨンサは思った。何度も聞こえてくる声に、逃げなくてはと思うものの、とうとうヨンサの意識は完全になくなってしまった。ああ、オラは化け物に食われたかな。そう思う意識が戻ってきた時、ヨンサは、自分の頬をなでる風で目を覚ました。うっすら目を開けると、かぶさるように黒く大きな瞳がヨンサを見ている。「ばっ化け物!?」ヨンサはびっくりして思わず叫んだ。慌てて飛びあがったが、逃げようとする体が思うように動かない。「なぜ逃げる?」「な、なぜって、化け物が!」「化け物、どこだ?」その一言にハッとするヨンサ。そこにいたのは、年端もいかぬ小さな女童。この子に自分は怯え逃げていたのか。ヨンサは恥ずかしいやら助かったやら、とにかくホッと胸を撫で下ろした。それにしても、なぜ女童がこんな、しかも化け物のいる山奥にいるのだろう。ヨンサは不思議に頭を傾げた。「おぬし、一人か?」女童はこくりと頷く。「父御や母御はいないのか?」「それ、なんだ?」聞けば、この●●という女童、父も母も、兄弟も持たず、ずっと一人でこの山に住んでいるのだという。一人では寂しかろうと、ヨンサは女童を連れ帰り一緒に暮らそうと言うが、女童は首を振って拒んだ。なぜと問うても答えはない。仕方がないので、ヨンサが毎日女童に飯を持っていく事にした。親に内緒で毎日女童に飯を持っていくヨンサ。女童に会うと、いつも心地よい風が吹いていた。ヨンサはそんな風も好きだった。女童のもとへ通う暮らしを繰り返すうち、気付けば三年も続いていた。時は流れ、13歳だったヨンサはたくましい青年に、●●は美しく成長した。村長だった父の跡を継ぎ立派に村を治めるヨンサ。ある日、大嵐が吹き荒び村を襲った。ヨンサは●●が心配になり、嵐の中、山を上った。少女は怖さで震えているだろうか。しかし、ヨンサは運が悪いことに、途中で足を滑らせてしまった。幸い、大きなケガはないものの、足を捻ってしまい、身動きがとれなくなってしまった。「ああ、●●は大丈夫だろうか。この嵐で震えてはいまいか」心配のあまり空を仰ぐヨンサ。すると、急に嵐はやみ、ヨンサの前に●●が現れた。「大丈夫か?」●●はヨンサを介抱し、山のふもとまで送った。「一緒にこないか?」ヨンサの誘いに、しかし●●は首を横に振る。そうして、真夜中に●●のもとへ通う暮らしを続けるうち、ヨンサは●●に恋心を抱き始めた。嫁として村に連れて行きたいと何度も願ったが、しかし、●●は首を横に振り、山を降りようとはしなかった。あるとき、ヨンサが夜中に家を出るのを偶然見た村人がいた。興味半分で後をつけると、なんと、化け物山に入っていくではないか。山の途中までついていった村人も、夜の遠吠えにおっかなびっくり、大慌てで逃げ帰った。ヨンサが化け物山に行ったことは、たちまち村中が知るところとなった。「ヨンサは化物か」「いやいや、あんなに優しいヨンサが化物のはずがない」「きっと化物に憑かれたのだ」「悪い化物がいるはずだ、心優しいヨンサを助けねばならぬ」ヨンサを思う村人は、化け物狩りすることにした。化け物狩りをする日、ヨンサは懸命に止めたが、「おまえは化け物にとり憑かれているんだ、今、助けてやるから」と強引に蔵へ閉じ込められてしまう。蔵の中で落ち込むヨンサ。そして、村人の決起の声を聞き、いてもたってもいられなくなったヨンサは、蔵の小さな窓から方法の体で抜け出し、●●のもとへ走った。少女は化け物と呼ばれ、村人に追われ、肩に矢を受けながら逃げていた。「やめろ! ●●は化け物なんかじゃない!」ようやく村人たちを見つけたヨンサは、今にも矢を射られようとする●●の前に飛び出したその時、飛んできた矢はヨンサに命中し、彼は息絶えてしまった。●●はヨンサに駈け寄り、村人は驚いた。「ヨンサがそこまでするなんて」「身も心も化け物に魅了されてしもうたか」「可哀想に。やさしい心につけ入られてしまったんじゃろう」村人たちは、口々に言い、そしてこれは●●の仕業だと言って●●を射殺そうとした。嘆く●●はヨンサから離れようとはせず、ただただ涙を尽きることなく流し、止むことなく声を上げていた。そのとき、強い風が吹き荒れた。村人が身動きのとれぬ中、●●は村人に静かに歩み寄る。「我は目覚めたり山風の護神。あな愛しきヨンサを射殺したそなたらが憎い!」●●の周りは強大な嵐となり、木々をなぎ倒す。「この力、堕つる神となりて憎しみでみたしたもう!我は愛しき者焦がれる故、荒神とならん!」叫びと同時に嵐はさらに強くなる。逃げ惑う人を残らず山から吹き飛ばし、●●はヨンサをつれてどこかへ消えてしまった。「荒神さまじゃ、我らは山の神がおるとも知らずとんでもないことをした。荒神さまの怒りに触れてしもうた!」吹き飛ばされながらも助かった村人たちは、村に逃げ帰り、慌てて山の神を祭った。しかし、毎年ヨンサが死んだ日に嵐や大風が襲い、時に飢饉となって村を苦しめた。村人たちは●●とヨンサに見立てた岩を並べて祭り、ヨンサの死んだ日には山神を鎮める儀式を行ったという。それ以降、村を襲う嵐がぴたりとなくなったそうな。 ◆仕神けいたの活動報告 FANBOXとクリエイティアで活動報告をしています。 FANBOXではVroid系・イラストを、クリエイティアでは、執筆関連の報告や仕神の執筆環境などの報告をします。 どちらも会員限定の情報がありますので、ご興味ありましたらどうぞ! PR