データ整理:まだあるんですか。 チラシの裏メモ 2006年11月27日 データは山ほど。でも、私の探すものは場所が限られてます。でも山ほどある。あっはっはっは。もう眠たいせいか、何書いてんだか私にもわからなくなってきました……。……寝ようかな……。 ホント、執筆じゃないですこれ。タダのネタ走り書きみたいなものです。登場人物の名前が途中から変わってるし、話つながってないし。うん、読んでも意味不明な私のネタ……orz コンクリート製の四階建て校舎は、少しばかり年代を経て、独特のシミを作り出している。 時代物の建造物とはいえ、侵入者を退けるには充分な機構と武器はある。ドームのようにセンサーが張り巡らされ、ICチップを搭載した学生証、教員証がなければ入ることさえかなわない。 この国では、全ての人間にIDが与えられ、性別からDNA、指紋、血液型などあらゆる情報を『シィモナ』と呼ばれるコンピュータが管理している。旅人にいたっては、入国の際にIDを設けられ、支給されるIDカードがなければ第一級犯罪者とみなされ、処刑されてしまう。 そんな国のある学校。屋上の、頑丈そうなフェンスが囲われている外側に、男とも女とも思われる影がポツンと座っていた。 年の頃は十七、八。腰まで伸びる髪が霞混じりで青く、頬杖する端正な顔は白雪以上に白い。上から下まで墨色の衣をまとった姿は、まさに影そのものだった。 そして、墨色とも髪の毛の色とも違う銀の瞳は、グラウンドで思い思いに走り回り、はしゃぐ生徒の喧騒を聞きながら、ぼんやり空を見上げる。『見つかったか、ロンド(lond)?』 声は影の左手から聞こえてきた。少女のように、幼さを漂わせる高い声は、影をロンドと呼び、報告を促した。 ロンドは声に反応して左腕を上げる。その掌には、刺青のような、真っ黒な紋様が描かれていた。どうやら声はこの紋様から発されているようだ。『ロンド? 見つかったのか?』 声はもう一度問うてきた。「ああ、今探してるとこ」 ロンドが億劫そうに応えると、『あー! 嘘ついてるなっ! 嘘ついてるだろ! どーせ、目的の近くまで来ておいて、こまごまと探すのがメンドくさいんだろっ!』「・・・・・・」 図星だった。声は、更に追い討ちをかけるように、『あと五秒で見つけないと、ロンドの食料全部腐らせるからな! いいーち!』 ロンドの返事を待たず、カウントダウンが始まってしまった。「落ち着け、セウス」『お前は慌てろぉっ!』 セウスと呼ばれた声は、ロンドに煽られて余計に声を荒げる。スピーカーのように、雑音交じりの大音量の声は、見えない波動になってロンドの左から右へと突き抜けた。「あ、見つけた」『何が?』 セウスはまだ怒り覚めやらぬ様子で、目的も忘れぶっきらぼうに訊ねる。「亜須奈・・・鏡子」 ロンドは、グラウンドでバスケットをしていた集団から、自分のいる校舎へとかけて行く少女に目をやる。 肩まで伸ばした、黒髪のセミショート。健康そうに血の通った肌は上気して、頬をピンクに染めている。バスケットをしていたためか、上下とも黒のセーラー服がところどころに砂埃をかぶっている。『何がどーしたんだよっ? 亜須奈鏡子、いたのかっ?』 セウスにはロンドの声がうまく聞こえないらしく、左手で雑音を撒き散らしている。 少女を目で追い、セウスを無視することしばし。「セウス、うるさい」 ロンドは左手を強く握り締めた。セウスの声はむぎゅ、と潰れるのを最後に沈黙した。再び少女に目をやり、その走り方の不自然さに身を少し乗り出す。 両の腕は、何かを庇うように胸の前であわせられている。「ケガ・・・か」 少し赤く染まった右手を庇うように左手を添えて、生徒たちの隙間を縫うように小走りに行く。 通常なら、十数メートルも離れた場所からケガの詳細まで知り得ることは無理だ。が、ロンドに常識は通じないらしく、手のひらを金具で切ったらしいのを確認して、つぶやいた。「保健室だな」 言うなり立ち上がり、一歩前に踏み出した。 ロンドは屋上の、しかも端の出っ張りに腰掛けていたに過ぎない。当然重力にしたがって、十五メートルもの高さから落下していった。 信じられないことに、頭から落下せず、音も立てずに足から着地したロンドは、何事もなかったように校舎の入り口へと消えていった。「・・・なぁ、見たか今の?」「な・・・ああ・・・・・・いや、見なかったことにしよう」「俺たち、別に疲れてとかないよな・・・?」 午後からサボりを決め込もうと、植え込みの陰に隠れていた二人の男子生徒は、今起きた現象を目の当たりにし、互いに顔を見合わせてサボりを延期した。 保健室は独特の匂いと雰囲気が満ち、ケガで緊張していた鏡子を自然と安心させた。 昔から病気がちで、何度も入退院をしていたせいかもしれない。事実、この学校の保健室にも事あるごとに通っていて、今では薬の置き場所も全て把握してしまっていた。 昼休みの為、昼食でもとりに行っているのか、保健の先生は留守だった。 白いレースのかけられたカーテン。様々な薬品が並ぶ棚。気休め程度にしかならないベッドは、二つとも頭が壁側になるよう並べられている。 保健室のドアノブに「外出中」の看板がかけられていたが、そんなのお構いなしに鏡子は傷の手当てを始める。 慣れた手つきで傷周りの血をふき取り、消毒液を傷口に染み込ませて痛みを実感する。 ばんそうこうをはり付けようとして、その手が止まる。「誰?」 振り向いたところで、誰もいるはずがないのだが、何かの気配を感じ、鏡子はあたりを見回した。 窓の外にも、保健室の出入り口にも、二つのベッドも確認したが誰もいない。予想を裏切って、保健室はシンと静まっている。「気のせい・・・か」 視線を戻して、そして気づいた。「!」 最初に目に入ったのは、流れるように美しい青い髪だった。――死にたいのではなかったのか? 次に、錆を含む声が、薄く開かれた切れ込みから鏡子の耳へと空気を通して伝わる。 たった今、誰もいないと確認したはずの窓とドアとベッド。 そこには女と見紛うばかりの青年がいた。端正な顔に、上下ともに黒の衣装。鎌こそ携えていなかったが、鏡子には、二つのベッドの間で、背を壁に預けて立っている彼が死神のように見えた。「な、何・・・? 誰?」 無意識のうちに立ち上がり、傷を庇う格好で、二、三歩ほど身を引いた。その為、座っていたイスが蹴り倒されて、鉄パイプの打ち鳴らす音を撒き散らす。「お前、阿須奈鏡子だろう?」 ゆっくりと鏡子の前に歩み出る。視線の逸らせない銀の瞳に自分の顔が見えて、鏡子はハッと我に返った。 左胸に装着を義務付けられているIDカードが見当たらない。「あ・・・あなた、学校の人じゃないでしょう? 勝手に入ってきてはいけないのよっ!」「どうして?」「・・・は?」 本気で不思議そうに質問する青年に、鏡子は間抜けにも口をあんぐり開けてしまった。「あ・・・あのね、ここでは学生証とかがなければ入れないはず最近はすんごく物騒なの。学校の敷地内へは、関係ない人は入っちゃいけないことになってるのよ」 ただの世間知らずなのか、気が触れているのか。この世の者とは思えないほど美しい出で立ちなのに、もったいないと鏡子は思った。 当の本人は、考えるようにしばし天井を見上げ、「俺、ロンドって名前」 おもむろに自己紹介をした。「へ?」「お前に用があるからここに来た。お前とかかわりを持つ予定の人間。だから無関係じゃない」「ちょ、ちょっと! 何勝手に決めつけてんのよ! 私あんたなんかと・・・」「死ぬ・・・つもりだったんだろう?」 鏡子の言いかけたものが喉に詰まった。銀の瞳は、表情を歪ませた彼女を映している。「あんたに分かるわけないじゃない! 他人のことに口出ししないでよっ!」「なぜそう言いきれる?」 すかさず訊き返される質問に、一瞬の戸惑いを覚えたものの、「初対面だからに決まってるじゃない!」 ありきたりの答えを吐き捨て、ロンドを押しのけ保健室を出ようとする。消毒した左手は、傷口を空気にさらしたままだ。 ロンドは鏡子の手のひらの傷を見つつ、つぶやくように話しかける。「もし、”死ぬ”ことを体験できるなら、試してみるか?」 背中にかけられた言葉に対し、出入り口で足を止めた鏡子は、振り返りもせずつっけんどんに言い返す。「体験しなくたって、死ねればいいの!」 乱暴にドアを閉めて足早に廊下を歩いていった。「あーあ、なに怒らせてるんだよぉ」 一人残されたロンドに、セウスの声が呆れたように諌める。ロンドは鏡子の去っていった扉を見つめていた。「セウス・・・」「あ?」「行くぞ」 左手の紋様に右手をかざし、ロンドは光を開放した。その光に反応してか、セウスはうれしそうに応えた。「そうこなくっちゃ!」 気がつけば、真っ暗闇の空間の中にロンドはいた。 どのくらい時間が経ったかなど、わからない。 何もないただ広いだけの空間に、彼は視線を落として立っていた。闇の中、青だけが鮮やかにたゆたう。「ロンド」 セウスの声がした。姿は見えない。「セウスか」「始めていいか?」 静かな問いに、ロンドは静かにうなずく。いつのまにか、自分のそばに姿を現した少女に目を向ける。 真っ白な髪と衣装をまとった十歳くらいの女の子。ロンドを見上げる瞳は、夕暮れ時の太陽のように赤みがかった金色をしていた。 セウスと呼ばれた少女は、笑顔でOKサインを出し、ロンドに返事する。「おっけ!・・・じゃ、いくよ」 真っ白な存在は、みるみる瞳を深い緑の色に変えて、その幼い姿からは想像もできない、ひどくかすれた声を発した。――すべては混沌にぬかずく存在 あるいは逆しま あるいは生命 忘れ形見を閉じ込めて 孤独のために夢を見よう 少女が膝をつき、両手を足元の闇にかざす。その手のひらから波紋が広がり、青白い光が浮かび上がる。 どこからか鐘の音が響いた。 同時に、波紋は闇一面を覆い尽くし、光は巨大なひとつの形を作り上げた。 ロイドの左手と同じ紋様になったと思うと、まだおさまらぬ波紋は波となり、中心が渦を巻き始めた。その渦をしばらく見つめたあと、「いいよ、いつでもいける」 渦が安定してきたのを確認し、セウスは足元を指差した。そして、ふとロンドを見る。「あれ? 手ぶらで行くの?」「いや・・・」 ロイドは、ゆっくりと右手を横へと伸ばす。 ずぶずぶと音を立てて、腕は肘から先を闇へと差し込ませる。そしてすぐに腕を引き戻す。その手には一振りの刀が握られていた。 自分の身長ほどもある長刀を、ロイドは少しだけ鞘から抜く。「ほっほ・・・久々にゆっくり眠れると思えば・・・・・・お前もせわしないのぉ。あれからほとんど月日も経ってはおらんというのに。おお、そうじゃ、セウスはまだ」「相変わらずおしゃべりだな」 嗄れた声は、ロイドの持つ刀から聞こえていた。 刀身をおさめ、ぴしゃりと会話を打ち切られたが、声はすぐまた機関銃のように喋りだした。「なぁに言っとる。お前が無口すぎるだけじゃろ。それはそうと、お主いい加減その仏頂面をなおさぬといつまで経っても眉間のしわが取れんぞ。ああ、そうじゃそうじゃ! それからのぉ――」「セウス、お前があの娘を見ていろ」「・・・わしもあれは焼けるかと――」「うん、わかった」「・・・・・・で良いかというとそうでもなく――」 嗄れた声を無視してセウスに命令を下すと、ロンドは紋様の中心、渦の中へと身を躍らせた。「じゃから年寄りはもっと労わるべきなんじゃよ」 悲鳴を聞いた・・・・・・ 鏡子の体はビクリ、と反応して、無意識のうちに後ろを振り返ってしまった。 しかし、振り返ったとしても何かがあるわけではなく。 今はもうその日の授業を終え、教室の掃除を他の当番の生徒と行っている最中だった。 鏡子は、ホウキ片手に集めたゴミをちりとりへ移す作業をしていた。――なに・・・今の・・・・・・? うとうとしていた頭が、一気に現実に引きずり戻された。「どーしたの、急に・・・?」 鏡子の前でちりとりを持っていた女生徒が、鏡子以上に驚いた顔で彼女を見上げた。「あ・・・なんでもない」 比較的親しい友人である彼女に、平静を装ってパタパタと手を振る。が、鏡子は自分でもあからさまな態度だと思った。彼女も鏡子の態度に疑問を抱いたようだが、あえて聞こうとはせず、ただ、「ふぅん」 と返事を返すだけに終わった。「ねえ、鏡子。こないだできた新しいお店、サプリジュースがあるんだって! 今日の帰り行ってみない?」「ほんと? 行く行く!」 ◆仕神けいたの活動報告 FANBOXとクリエイティアで活動報告をしています。 FANBOXではVroid系・イラストを、クリエイティアでは、執筆関連の報告や仕神の執筆環境などの報告をします。 どちらも会員限定の情報がありますので、ご興味ありましたらどうぞ! 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