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keit@ blog

仕神けいたの執筆ホニャラカ報告書。

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(仮)な物語。

ちょこちょことケータイで書いて、大雑把に入力していたので構成も物語もへちまもないです(汗。

なので、「小説家になろう」にもアップ予定なし。

……ちゃんとした物語にしないと、この走り書きメモに悪い……のはわかってても、もう私は限界かもm(;_ _)/
ある山中の村にはヨンサという村長の息子がいた。
たいそう働き者で、皆からも慕われ、贅沢こそできなかったものの、幸せな暮らしをしていた。

ある日、彼は父について山へ行き、薪拾いの手伝いをしていた。
一刻ほど経ったろうか、ここらで一休みしようと、父は木陰に座った。
ヨンサも休もうとした。が、にわかに強い風が吹き、せっかく集めた薪はほとんど飛ばされてしまった。
「オラがまた集めてくるよ」
そう言って、ヨンサは一人で薪を集めることにした。
「ヨンサ、気ぃつけろよ。間違っても化け物山には近づくでねぇぞ」
父の言う化け物山とは、その名のとおり化け物が棲んでいるという険しい山だ。

普段は山奥深くに潜み、時折、訪れた人間を襲って食ってしまうといううわさが流れている。
山から戻ってこれた者が一人もいないわけだから、その話もあながち嘘ではないだろうと、村人たちは惧れを抱いている。
しかし、若くたくましいヨンサは、冒険心と興味を捨てきれず、化物が棲むという山の奥へと入ってしまった。

道もなく、ただ木々と草の中を山頂に向かって歩を進めるヨンサ。
化け物がいるというのに、山は静かで鳥が穏やかに鳴く。これが本当に化け物山か。
と、突如、霧がたちこめ、あっという間に視界が塞がれてしまった。
「これはまずい」
ヨンサは冒険を止め、山を降りようと後ろを振り返る。だが、道なき山をさらに霧が覆った世界。気がつけば、ヨンサは完全に迷ってしまった。

右も左も、上がっているのか下っているのかもわからなくなり、歩く力も弱々しくなる。体力も底をつきかけ、ヨンサはもうだめだと思った。

その時、視界を何かが横切った。
「あれぞ噂に聞く化け物か?」
食われる前に逃げなくては。
ヨンサは意識が薄くなるのを感じながらも、最後の力を振り絞った。座り込んだ体を起こそうとするも、ヨンサの体は地べたに根を張ったように全く動かない。

そのうち、声が聞こえてきた。化け物の声か。
しかし、やけに高く狐の声かとヨンサは思った。
何度も聞こえてくる声に、逃げなくてはと思うものの、とうとうヨンサの意識は完全になくなってしまった。

ああ、オラは化け物に食われたかな。
そう思う意識が戻ってきた時、ヨンサは、自分の頬をなでる風で目を覚ました。
うっすら目を開けると、かぶさるように黒く大きな瞳がヨンサを見ている。
「ばっ化け物!?」
ヨンサはびっくりして思わず叫んだ。慌てて飛びあがったが、逃げようとする体が思うように動かない。
「なぜ逃げる?」
「な、なぜって、化け物が!」
「化け物、どこだ?」
その一言にハッとするヨンサ。そこにいたのは、年端もいかぬ小さな女童。

この子に自分は怯え逃げていたのか。ヨンサは恥ずかしいやら助かったやら、とにかくホッと胸を撫で下ろした。
それにしても、なぜ女童がこんな、しかも化け物のいる山奥にいるのだろう。ヨンサは不思議に頭を傾げた。
「おぬし、一人か?」
女童はこくりと頷く。
「父御や母御はいないのか?」
「それ、なんだ?」

聞けば、この●●という女童、父も母も、兄弟も持たず、ずっと一人でこの山に住んでいるのだという。
一人では寂しかろうと、ヨンサは女童を連れ帰り一緒に暮らそうと言うが、女童は首を振って拒んだ。
なぜと問うても答えはない。

仕方がないので、ヨンサが毎日女童に飯を持っていく事にした。親に内緒で毎日女童に飯を持っていくヨンサ。
女童に会うと、いつも心地よい風が吹いていた。ヨンサはそんな風も好きだった。

女童のもとへ通う暮らしを繰り返すうち、気付けば三年も続いていた。
時は流れ、13歳だったヨンサはたくましい青年に、●●は美しく成長した。
村長だった父の跡を継ぎ立派に村を治めるヨンサ。
ある日、大嵐が吹き荒び村を襲った。
ヨンサは●●が心配になり、嵐の中、山を上った。
少女は怖さで震えているだろうか。
しかし、ヨンサは運が悪いことに、途中で足を滑らせてしまった。幸い、大きなケガはないものの、足を捻ってしまい、身動きがとれなくなってしまった。
「ああ、●●は大丈夫だろうか。この嵐で震えてはいまいか」
心配のあまり空を仰ぐヨンサ。すると、急に嵐はやみ、ヨンサの前に●●が現れた。
「大丈夫か?」
●●はヨンサを介抱し、山のふもとまで送った。
「一緒にこないか?」
ヨンサの誘いに、しかし●●は首を横に振る。

そうして、真夜中に●●のもとへ通う暮らしを続けるうち、ヨンサは●●に恋心を抱き始めた。
嫁として村に連れて行きたいと何度も願ったが、しかし、●●は首を横に振り、山を降りようとはしなかった。

あるとき、ヨンサが夜中に家を出るのを偶然見た村人がいた。興味半分で後をつけると、なんと、化け物山に入っていくではないか。山の途中までついていった村人も、夜の遠吠えにおっかなびっくり、大慌てで逃げ帰った。
ヨンサが化け物山に行ったことは、たちまち村中が知るところとなった。
「ヨンサは化物か」
「いやいや、あんなに優しいヨンサが化物のはずがない」
「きっと化物に憑かれたのだ」
「悪い化物がいるはずだ、心優しいヨンサを助けねばならぬ」
ヨンサを思う村人は、化け物狩りすることにした。

化け物狩りをする日、ヨンサは懸命に止めたが、「おまえは化け物にとり憑かれているんだ、今、助けてやるから」と強引に蔵へ閉じ込められてしまう。
蔵の中で落ち込むヨンサ。そして、村人の決起の声を聞き、いてもたってもいられなくなったヨンサは、蔵の小さな窓から方法の体で抜け出し、●●のもとへ走った。

少女は化け物と呼ばれ、村人に追われ、肩に矢を受けながら逃げていた。
「やめろ! ●●は化け物なんかじゃない!」
ようやく村人たちを見つけたヨンサは、今にも矢を射られようとする●●の前に飛び出したその時、飛んできた矢はヨンサに命中し、彼は息絶えてしまった。

●●はヨンサに駈け寄り、村人は驚いた。
「ヨンサがそこまでするなんて」
「身も心も化け物に魅了されてしもうたか」
「可哀想に。やさしい心につけ入られてしまったんじゃろう」
村人たちは、口々に言い、そしてこれは●●の仕業だと言って●●を射殺そうとした。
嘆く●●はヨンサから離れようとはせず、ただただ涙を尽きることなく流し、止むことなく声を上げていた。

そのとき、強い風が吹き荒れた。村人が身動きのとれぬ中、●●は村人に静かに歩み寄る。
「我は目覚めたり山風の護神。あな愛しきヨンサを射殺したそなたらが憎い!」
●●の周りは強大な嵐となり、木々をなぎ倒す。
「この力、堕つる神となりて憎しみでみたしたもう!
我は愛しき者焦がれる故、荒神とならん!」
叫びと同時に嵐はさらに強くなる。
逃げ惑う人を残らず山から吹き飛ばし、●●はヨンサをつれてどこかへ消えてしまった。
「荒神さまじゃ、我らは山の神がおるとも知らずとんでもないことをした。荒神さまの怒りに触れてしもうた!」
吹き飛ばされながらも助かった村人たちは、村に逃げ帰り、慌てて山の神を祭った。

しかし、毎年ヨンサが死んだ日に嵐や大風が襲い、時に飢饉となって村を苦しめた。
村人たちは●●とヨンサに見立てた岩を並べて祭り、ヨンサの死んだ日には山神を鎮める儀式を行ったという。
それ以降、村を襲う嵐がぴたりとなくなったそうな。

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