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keit@ blog

仕神けいたの執筆ホニャラカ報告書。

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蒼の魔法士ウラ面「飯とカードと大食らい」

本当なら昨日のうちに走り書きしてブログにアップしようと思っていたんですが、右手のとある指が血を噴き出して断念しちゃったシロモノです。

「蒼の魔法士」第7話のその後のおまけ話です。
本編と特につながりがない上、小説の形でないので御注意ください。

心の準備ができた方は、下の「飯とカードと大食らい」をクリックして御覧ください。


※魔法士ライセンスをなんとか取得したユウ。しかし、朝から何も食べていなかったユウに極度の空腹が襲う。原因となったみっちゃんは責任をとって、ユウにご飯をおごることにした。





みっちゃん(以下み):すまんのう、ユウどん。わっしのせいで。
ユウ(以下ユ):いいからいいから♪ それよりみっちゃん、どこで食べるの?
み:ご飯と聞くと、急に元気になったのう……ん~、この近くにゃ確かファミレスがあったはず。
ユ:あ、あれじゃないかな?

 ユウの指差す方向に、回転する看板。緑の地に白抜きの文字で「食べ放題」の文字。

み:お……(汗)。ユウどん、ありゃファミレスやのうて食べ放題の店じゃて。
ユ:食べ放題!?

 確認するようにみっちゃんを振り返るユウ。その瞳は異様に輝いてい
る。「食べ放題」の言葉に何やら期待をしている模様。

ユ:みっちゃん、食べ放題って、どんだけ食べてもいいってこと?
み:おう。制限時間があるんやが、その時間内やったら、いくら食べても料金は一定なんよ。
ユ:わぁあ~。いいなー、おいしそうだな~。いいなー……
み:…………行ってみるかの?
ユ:本当!? やったあー!

 ユウはみっちゃんを引っ張るように歩き出す。真横にあったにもかかわらず、ファミレスを通り過ぎ、食べ放題の店へと向かった。



店員:いらっしゃいませ。二名様ですか?
み:おう。
店員:開いているお席へどうぞ。

 昼を一時間も過ぎた店内は閑散としていた。時間外れに来た客が、時折皿を手に席を立つのが見える。
 ユウとみっちゃんは、サラダバーの近くに腰を落ち着けた。ユウは初めてなのか、辺りをキョロキョロしてばかりいる。
 店員がすぐに現れる。

店員:いらっしゃいませ。ただいま、ランチバイキングを行っております。

 説明をしながらメニューを見せる。

店員:ドリンクバー付きで、お時間は九十分と六十分のコースがございます。

 九十分コースは、大人千五十円、中学生以下九百円。
 六十分コースは、大人九百円、中学生以下七百円。
(小学生以下は一律五百円、未就学児は無料)

み:ユウどんはどっちにする? 九十分でええか?
ユ:うん。
み:んじゃ、九十分の方で。大人一人と学生一人な。
店員:かしこまりました。それではマネーカードの提示をお願いします。

 カードを預かった店員は、端末に来客情報とバイキングコース、マネーカードの情報を登録する。

店員:では、ドリンクバー用のコップをお持ちいたします。

 店員はスイッチを勢いよくひねり、テーブルの中央にある焼き肉用のコンロに青い炎を点して去る。
 ユウは、みっちゃんの持つマネーカードに興味を持つ。

み:ユウどん、どうした?
ユ:それ何のカード、みっちゃん? さっきの人何してたの?
み:ん? これはマネーカードじゃて。先に金を支払ったんよ。

 みっちゃんは詳しくは説明しなかったが、飲食店では食い逃げを防止するため、先にマネーカード情報の登録を行う。本人認証付きのカードで、システムは既にサービス終了したクレジットカードとほとんど同じ。あとは通常に注文をするだけ。食べ放題のように時間制限のある店は、退店時間を最後に登録すれば、延滞時間分も含めて請求ができる。

み:ユウどんはマネーカードって持ってないんか?
ユ:持ってないよ。兄ちゃんだって、支払う時は電子小切手使ってるもん。
み:小切手……えらい古い方法じゃのう(汗)。それじゃと、誰がいつ支払ったかがわからんじゃろ?
ユ:兄ちゃん、それを逆に利用してたみたいだよ。居場所を知られなくてすむからって。
み:…………ミサギどんが苦労してたわけじゃな。
 ほれ、ユウどん、食い放題なんじゃけえ、遠慮せずに食いたいもんを取ってきい。皿はあっちの棚に置いてあるけん。
ユ:え、あっ……うん。

 言われるままに席を立つユウ。そこで皿を手にしたまではよかったが、食べ放題など、生まれて初めてなので、どうしたらよいかわからない。ずらりと並ぶ肉や料理を前に棒立ち。
 そこへ店員が通りかかる。

店員:どうしました?
ユ:え? えと、これ、取ってもいいんです、か?
店員:はい。セルフサービスですので、お客様が食べられる分だけご自由にお取りください。ご飯なども自由におかわりできますよ。
ユ:へえ~……

 数分後。肉を山にして盛った皿を両手に、ユウが戻ってくる。
 それは文字通り、見たまんまで、ユウの顔がすっぽりと隠れてしまうほど、肉が積み上げられていた。

み:おー、いろいろ選んどっ……た…………
ユ:選びきれなかったから、とりあえず全部もってきちゃった。
み:全部って……皿ごと持ってきよったんかい!?
ユ:うん。だって、棚に置いてあった皿は小さすぎたから。ちょっと待ってて、もう一皿取ってくる。
み:ちょちょちょ……っ! 「もう一皿」って…………ユウどん、これ全部食べきれるんか?
ユ:食べれるよ。これ、普通じゃん。

 ケロリとして、みっちゃんの反応を不思議そうに見ている。

み:フツー……(滝汗)。
ユ:食べ放題っていいね♪ 遠慮せずに食べれるんだもん。
み:なあ、ユウどん……腹八分目って知っとるか?
ユ:知ってるよ。兄ちゃんと一緒の時は、ボクがいつもブレーキ役だったもん。それでも、店を出る頃には絶対入店禁止にされちゃうけど。ボクはマシな方だよ。
み:いや、えと、のう……
ユ:そいじゃ、取ってくる~。
み:…………この店に来れるのは、今日が最初で最後やものう……

 その後、店員たちが遠くから見つめる中、ユウは時間いっぱいまで食いまくり、みっちゃんは、店長直々に入店禁止を言い渡されてしまう。

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