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思いついた話を御伽噺風味で。-2-
「たいへん、村がぜんぶ焼けてしまっているよ」
 妹は涙をぼろぼろ流して言います。
「お父さん、お母さん、村のみんなはどこ?」
 兄も必死に村中をはしります。しかし、どこもかしこも真っ黒に焼け落ちてしまい、人の気配はまったくしません。
 泣いている妹の頭をなでて、兄はせいいっぱい元気を出して言いました。
「だいじょうぶだよ。きっと、みんなどこかへ避難したんだよ。だから泣かないで」
 二人は焼け跡から、使えそうな道具を少し、武器には、小さいナイフを一本と、ほんの少しの食べ物をリュックに詰め込み、村をあとにしました。
 しかし、村を出て、一番近くの町に行っても、二人の村の住民と出会うことはありませんでした。
「一体、みんなどこへ避難したんだろう?」
 さらさら流れる小川で一休みしていると、小鳥が一羽、兄の肩にとまりました。
「魔女がみんなを連れて行ってしまったよ」
 なんと、森で出会った木のように鳥がしゃべりました。
「君も、もとは人間だったの?」
 兄は尋ねます。
「僕は生まれたときからずっと鳥だよ。人間と話すなんて、東の国の王子以外でははじめてだよ」
 鳥と話していると、妹がかけよってきました。
「お兄ちゃん、誰と話しているの?」
「おまえには聞こえないの? この鳥がしゃべっているんだよ」
「私にはきれいな鳥のお唄しか聞こえてこないわ」
 兄が不思議に思って首をかしげていると、鳥がペンダントを指します。
「そういえば、東の国の王子も同じペンダントをしていたよ」

...to be continued

思いついた話を御伽噺風味で。
思いついた話を御伽噺風味で。-2-
思いついた話を御伽噺風味で。-3-

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