データ整理:CIMSの意味を探せ。

PCの整理整頓～。
ぶっちゃけ、私はものすんごく前に作った「CIMS」って言葉の意味をメモったデータがみつかりゃそれでいいのに全然ないorz
どこにいった～「CIMS」。

ちょっと自分でも記憶が薄れていくよ……（焦）。
「CIMS（シムス）」ってのは、

C○○○ I○○○ M○○○ System

っていう言葉の略で、私が考えたファンタジー（？）内に出てくるコンピュータ・システムの総称です。
なんか、ぴったりくるような単語をメモってたのになあ……。
世界各地にホストコンピュータを設置していて、「エヴァ」に出てくる「MAGI」（綴り、あってるハズ……）の「三つ子システム」と似たようなシステム。
CIMSの場合は、世界各地にあるから、三つ子どころじゃないけれど（汗）。
そんで、AI搭載で、建物の防犯システムから公園の噴水の制御まで（範囲がよくわからん言い方……）とにかく都市全体を仕切るシステム。

……書いてても思い出せないorz
早く～、データ出てこーい。

なんでも屋-イヅモサツキの依頼-

なんでも屋
プロローグ
壱． ねこさがし
弐． 死体を抱く少女
参． けっこんさぎ
四． 歌って踊れる傭兵
活動日誌

プロローグ

　この度は『なんでも屋』をご利用いただき誠に有難うございます。当店はいただく金額により、何でもお引き受けいたします。尚、お客様のプライバシーは絶対保護ですのでご安心ください。
依頼人名：イヅモ＝サツキ
【依頼内容】
　わたしのねこがいなくなってしまいました。どこをさがしても、どうしても見つけられませんでした。ねこの名まえはリミクです。でも、わたしの家はあしたおひっこしするので、あしたのTIME1400までにおねがいします。リミクが見つかったら、つぎのところにれんらくおねがいします。
【連絡先】
Server name：588-2830 Address：××××＠star×post.abc.nfa
依頼メールの受付時間　平日TIME900～1700 日・祝祭日TIME1000～1500
メールアドレスは正確に。お問い合わせ、ご質問はこちらへ。
http://www.youseegroup.abc.nfa

「エマ」
　ご主人の仮眠が終わったみたいだ。
「おはよう、ご主人」
　僕は、昨日からフル稼働していた捜索ソフトを、一時中断させる。

　僕の名前はエマ。コンピュータ・システムだ。
　ディスプレイの中から出られない奴らと違って、僕は意思表示仮想媒体(ホログラフィ)を与えられている……とは言っても、大きさは三十センチ程度だけど。ちっちゃな角の生えた、十歳くらいの男の子の体だ。おまけに新型の本体(ハード)だから、システム波の届くほとんどの範囲を、自由に動き回れる。
　ご主人の懐を涼しくしたぶん、今まで以上にご主人のためにがんばっている、僕だ。

「エマ、場所は？」
「うん。リミクという猫の習性などから推定してこの範囲内のどこかだと……」
　僕が仮想ディスプレイを見せると、ご主人は資料をしばらくじっと見ていた。
　透けるディスプレイの裏側から、僕がそれを眺めていると、
「じゃ、行ってくる」
　ご主人は、スタスタとディスプレイを離れ、出かける支度を始める。もちろん僕は慌てた。
「で、でもご主人……二十五分しか寝てないよ？」
　昨日から一睡もしていないご主人。ハードは最新型でも、僕は三千年前に生まれた、めっちゃくちゃ古いＯＳなんだ。昨日だって、本体とOS(ぼく)との同調率が急に乱れて、ご主人は二十五分前……つまり仮眠直前まで、ずっと修理してくれていたんだ。
「一昨日二十時間寝たとはいえ、これじゃあご主人の体が持たないよ！　死んじゃうよ！」
「あとで寝る」
「んなっ!?」
「捜してくる」
　ご主人は携帯用パソコン(モバイルヘッドホン)を装着して、ふらふらと外へ出ていく。
「ちょっ……ちょい！」
「エマはここでナビを」
　ご主人が扉に手をかけようとするのを、僕が目の前に割り込んで止める。
「ご主人がそんななのに、家でおとなしくできるわきゃないでしょお！　僕も行く！」
「……待っていろ」
　言って、くるりと身を翻して本体(ぼく)を自己修復モードに変えた。
「ああっ！　何すんだてめっ……」
　ブツッと音をたてて、エマの本体は自己修復を開始した。意思表示仮想媒体(ホログラフィ)もまた、自己修復のため映像が消えてしまった。

　――数分後
　人も車も少ない、昼間の街の大通り。ほとんどの人間は、今の時間帯、学校や仕事のために建物からはめったに出てこない。代わりに、遺伝子操作で増やされた野良が、ゴミやら何やらをあさっているのがよく目立つ。その時間を狙ってたのか、ご主人は、悠々と高層ビルの林を浮遊単車(ホヴァーバイク)で走り抜ける。走りながら、
「……待っていろと言ったはずだが……」
　ぼそりと低い声でつぶやいた。
「もう一人の(・・・・・)僕はちゃんと家で修復しているもんね」
「……一体何人いるんだ……お前は？」
　ご主人は疑いの眼差しで僕を見る。その時浮遊単車(ホヴァーバイク)は、昼間からサボっている女子学生のわきを走り抜けた。僕はその時の彼女たちを振り返り見た。
「ご主人、さっきの女の子たち、ご主人見て魂抜けたみたいだよ」
　ごまかしに、にやけてつついてみたけど、ご主人はこーゆー事には全然興味ナシ。返事もしてくれない。
　ご主人てば、ホント周りの反応には意識のかけらもないんだよな。逆に言わせれば、周りの嫌というほどしつこい、そんでもって嵐のような視線の中でも、ご主人はヘーキで歩き回っているんからスゴイと言うべきだ。
　速度を少しゆるめて、僕に地図表示のコマンドを出した。ご主人は、地図と今いる場所を確認しながら進む。
「地下か」
　たどり着いた場所は、地下街へと続くエレベーターへの入口だった。
「地下街にいるの？」
「…………」
　僕が聞いてもやっぱ返事ナシ。
　地下街といえば……地上に住んでる人に聞けば、誰もが『野蛮な生き物の集まる所』と答えるのが相場になってるけど、僕から見ればみんな同じ人間だ。着ている服が違うだけだと、僕は認識してる。
　ご主人は、しきりに地図を確認しつつ、付近にある駐車場に、浮遊単車(ホヴァーバイク)を置いてエレベーターの入口へ向かった。
　入口はボロボロの屋根に、枯れたのと、まだ緑を残したつたが網目のようにくっついている。申し訳程度に作られた、木製の風除けの壁は、今にも崩れそうだ。風が吹くたびガタガタ鳴って、小さな子供なら、オバケが出たと思って泣き出しそうな雰囲気だ。

オ……サ……地下……口

　入口の上部には、地名付きの地下への看板が掲げられていた。ところどころ、錆やら何やらで汚れかすれて読めなくなっている。
　地下街へ行くための入口は、他にもいくつかあるけど、ここはまた特に寂れている。
　入口へ目をやると、入口の番をしているらしい老人が、ど真ん中に立っていた。
　白いふさふさの眉毛に隠れた目で、じろりとご主人を睨む。
「おまいさん、下へ降りるのか？」
　僕と同じくらいちっちゃなじーさまが、フゴフゴとひげの中で口を開ける。
「地下は乗り物禁止じゃからの、どっかその辺にでも置いて出直せぃ」
　……こぉのじーさま、ご主人が歩きだっての知ってて言ってんのか？
　僕の心の怒りも知らぬ顔、ご主人は淡々とした表情で、じーさまの視線に合わせてしゃがんだ。
「乗っていた浮遊単車(ホヴァーバイク)は駐車場に停めてきた。鍵はここにある」
　言って、ご主人は懐から鍵を出す。じーさまの出した掌の上にそれを置き、じーさまは両手でそれをじっくり確認する。鍵をご主人に返して、
「……うむ、確かに。ところでおまいさん、下へは何の用向きじゃ？」
「飼い猫が地下街へ入り込んだ」
「飼い猫ぉ……？」
　じーさまはあからさまに顔をしかめる。「確実な情報に基づいての行動だ。でなければ、ここには来ない。猫を捕まえ次第すぐに出て行く」
　ご主人は、それでも変わらぬ表情で言った。
「うーむ……確かにのぅ…………くだらん事で下へ行っても、得することなぞひとっつもありゃせんからのぅ」
　ご主人の納得説得ゼリフに、じーさまはウンウン頷きながら、道を空けてくれた。ご主人が通ろうとすると、じーさまは、思い出したように呼び止めた。
「あー、待て待て。最近の地下街は物騒じゃて、充分気ぃつけんとあんたも還って来れんようなってまうからの。ぎょうさん武器ば持っていき」
　ここからほんの少し離れた、小さな掘っ立て小屋を指した。
「武器なら持っていますんで」
　ご主人は、背中に携えた長刀の刃を少し見せ、そのまま鍔鳴りさせた。刀特有の、鞘と刀身が擦れあう音が、この上なく透き通ったまま僕の集音機の中へ染み込んでいく。
「刀……か。今時分珍しい品を持っておるのぅ……。いやいやいやいや、武器がいらんのなら構わん。とっとと行きな」
　じーさまは、ご主人が入口の奥へ行くのを見送り、また元の、入口のど真ん中へ戻った。

　地下街へ下りる道は、暗い電子灯が点、点、とぶら下がった、レンガ造りの階段トンネルがしばらく続いていた。その一番奥に、さらに地下へ下りるエレベーターが、一つあるだけだった。
　地下へ降りるエレベーターの前、僕はトンネル中に響く大きな声で話をした。
「なんだよあのじーさま！　ご主人が歩きだっての丸わかりなのに、見てわかんなかったのかよ？　じーさまの眼、ガラス玉なんじゃないの？」
「ああ、そうだな」
「ええっ」
　僕のＣＰＵはこの時、一ピコ秒の間フリーズした。原因不明とＣＰＵのメッセージはエラー表示している。感情判断機能(フィーリングユニット)の方は、簡単に原因をつかめたけど、さすがの僕も、瞬時に凍ってしまった。
　会話するのがメンド―でいつも返事さえしてくれないあのご主人が！　僕に向かって『ああ、そうだな』なんて言ったぁ～！
「エマ、あの老人は全盲だ」
「え………？　あ、そなの？」
　会話終了。
　エレベーターはその間にも下へ下り続けた。重力質量感知機能を備えた僕も、もう十何分と無重力を体感している。地下の階数が何も表示されておらず、ただ、『地上…………地下街』とあるだけだった。
「にしても、こんなトコに入り込むなんて、冒険好きな猫だな」
　能天気を装ってご主人に話しかける。
「………………」
　無言の返事。
「さっきのじーさまが盲人なら猫が入っても気付かないわけだ」
「それはない」
　僕の説得あるセリフも、ご主人の一言で粉砕された。
「猫はエレベーターのボタンを押せない」
「あ………」
　そうだった。エレベーターの開閉ボタンは、足元から一メートル半はある。運動神経鈍りまくりの最近の猫じゃ、ジャンプしてボタンを押すなんて器用な真似ができるわけない。
「じゃ、誰かが連れ込んだってコト？」
　訊いたあとで、僕はしまった、と思わず口に手をあてる。
「………………」
　あ、やっぱり。ご主人は必要以上に質問されるのが大嫌いなんだ。答えるのが面倒くさくなってくると、こんな風に露骨に嫌な顔をする。
　僕はすぐに本体からネットワークを展開した。
　検索ソフトから『地下街』と『猫』をキーワードに検索開始する。そして検索結果から、一週間以内に更新されたページを抽出、さらに地下街の住人の動向が記述されている部分をピックアップ、新たなページを構成していく。検索した資料は、全てフォルダに保存した。集めた資料を日付順に並べ替え、ご主人の携帯用パソコン(モバイルヘッドホン)を通して、僕の意思表示仮想媒体(ホログラフィ)にデータが転送される。
　その所要時間、二．二六秒。
「ご主人、新聞の記事にあった。えっと………『八年ぶり、食用動物の範囲拡大』………………？
　うげぇ!?　ご主人ん～、地下街の奴ら正気じゃないよぉ～。最近は地下街が食糧難で、地上の生き物を生け捕っては、食べてるってぇ～………」
　僕は掲載された写真を見て、思わず吐き出しそうになった。………………まぁ、吐くものなんて僕にはないけど。
「地下街のネットをハッキングしたのか………」
「郷に入れば郷に従えってね」

……と、ここまでしか書いてないです。